2012年09月26日

マインドフルネスD(あることモード、することモード)

マインドフルネスの紹介をあとまわしにしたまま、ただ忙しさに追われて日々を過ごしておりました。当院がデイケアリワークをはじめて1年がたちました。スタッフともども、利用されている方々とともに、困難や苦労から学ばせてもらっていることを実感しています。利用されている方々の健康と回復を通して、そのご家族の幸せ、そして社会にとっての安心や活力へとつながっていけることを心より願っています。

「われわれは本来、何も握り締めていない、誰とも戦っていない、どこにも向かっていない・・・・ということを思い出してみるのです」 熊野宏昭

前回、マインドフルネス瞑想を通して、自動操縦状態に気づき、そこからはなれ、「今この瞬間を、ただ観察するにとどまる状態」のことを、あることモード(Being mode)と紹介しました。シーガルやティーズデールらにより紹介され、することモード(Doing mode)と対をなす状態をさします。することモードとは、自動操縦状態のままに活動する状態のことです。ふだん、ほとんどの場合、我々は「することモード」で生活しています。しっかりと意識することなく、歯を磨き、何となくご飯を食べ、食べながら同時に新聞を読んだりテレビをみたりして、時間になると着替えて、いつものように家を出て会社に向かっています。「することモード」には、習慣化して、よく考えないままに自動的に行動がとれ、複数の作業をこなせるという利点があります。一方で、よく観ずに行動しており、十分に今の目の前のことを観察しないため、どれも同じようなパターンにうつり、刺激に乏しく、退屈であったり、はなから決めつけた見方しかできずに、柔軟な対応をとるのが難しくなると言われています。このモードでは、理想とする状態と、現状とを比較し、現状を何とか理想の方向へ変えていきたいとする思いが強く働きすぎるため、別名にては「駆り立てられるモード」ともよばれます。気がつけば、いつも焦って結果を残そうと必死になっていたり、人と比べていたりします、それがそんなに焦らなくてもよいことや、重大でないことまで。また、気持ちや感情の問題を、することモードで対処すると(つまり片手間に、何となくぼんやりと考えると)、かえって苦しみや悩みを強めてしまうことがよくおこります。心配や過去の辛かった記憶を引きずりながら過ごし、今この瞬間に経験している全ての体験を、楽しいことであっても、普通のことであっても、マイナスな気持ちを引きずりながら経験してしまうことで、全てがつらい体験に変わってしまったりしてしまいます。本当ならこうであればと願う心は、かえって現状をよりつらいものに感じさせたり、辛い気分を長引かせたりしてしまいます。例えば、私は背が低くて太っていますが、私が「身長があと10cm高ければ!体重があと10kg少なければ!」と深刻に思うとするなら、どんな気持ちになるでしょうか。少なくとも、今の現実の自分は、「理想とかけはなれたみじめな存在」と映ってしまうことでしょう(>_<)。また、人が生きていくなかで経験する悲しみや不安は避けられないものでもありますが、それを急いで解決しようとしすぎたり、ないものとして封印してしまおうと努力することで、自然に流れ過ぎていくはずの悲しみや不安が、かえって長引いたり、強まったりしてしまいます。

今回の文章はわかりにくいと思いますが、ボディースキャンやレーズンエクササイズ、静座瞑想、などをし続けながらであれば、わかってきます。あることモードになるための瞑想では、味覚、嗅覚、聴覚、視覚、触覚の5感と、自動思考を観察していきます。自動思考(自動操縦状態)に巻き込まれて、考えこみ流されてしまわないように気をつけながら。そして、あることモードにては、欲、怒り、迷いから離れ、今、この瞬間に生きている、何事にもしばられない自由な自分を取り戻すことができます。つづく〜
posted by かなめクリニック at 23:03| 精神科・心療内科