2012年01月02日

マインドフルネスB(レーズンエクササイズ)

あけまして、おめでとうございます(^o^)。北九州では、どんよりした天気ではじまりました新年ですが、いかがお過ごしでしょうか。それぞれに、よい年となりますように願っております。

「自動操縦状態に気づき、そこからはなれる技法の習得が大変重要」と前回紹介をしました。そのための練習には、いくつかの方法があります。

最初の導入で、よく行われるものに、レーズンエクササイズがあります。普通に売られているレーズン一粒をつかって行います。
1. まず、一粒のレーズンを手のひらの上に置き、とにかく眺めます。まるではじめてそれ(レーズン)をみるかのような心持ちで、じっくりと意識を集中しながら眺めます。しわしわがおりなす微妙な陰影や光沢を、隅々までただ観察します。「なぜ、こんなことをする必要があるのだろうか」とか、「どうみてもただのレーズンじゃないか」などの思考や疑問が浮かんでくるかもしれません。そのような自動操縦状態に気づくことも練習ですが、それは自動操縦状態というより、本心でそう思う、と感じるかもしれません。
2. 次に、レーズンを手のひらで転がして観察します。裏側はどうなっているか、など。
3. その後に、手にとって触れた感じを、とにかく、ただ、観察します。手に触れるやわらかさや、べたつき感、ふにゅふにゅ感などを、ただ集中して観察します。
4. さらに、においをかいでみます。結構、いろんなにおいがあります。カレーのようなにおいがしたり、「やっぱりレーズンじゃん」と感じるのも正直な感想です。ただ、においをかぎ、そこから入る感覚刺激だけに集中して、観察することが目的ですが、いろんなことを考えてしまう自分にも気づきましょう。それが自動操縦状態です。そしてまた、そこからはなれて、観察することだけに意識をもどしましょう。
5. それぞれの手順は、ゆっくりと進めていきます。次に、ようやく口の中にレーズンを入れます。しかし、すぐにはかまず、舌の上において、転がしながら舌触りをたしかめ、観察します。つばがでてきて、はやく食べたい、飲み込みたいとする身体の変化や、自分の思いにも気づけるようにします。
6. ゆっくりとひとかみします。歯触り(食感)を観察します。味がしみ出してくることに関しても、集中して意識を向けます。そして、ふたかみ、みかみ、とゆっくりと咀嚼します。
7. しみ出てくる味を、あますところなくひろえるように味わい、ただ観察します。
8. ゆっくりと、少しずつ飲み込み、のどを通って、胃に落ちるまでの感覚にも意識を集中します。そして余韻を味わいます。
上記が、レーズンエクササイズと言われるものです。これのどこが練習なのか?と不思議に思う方も多いと思います。私もそうでした(^^;)。グループワークでは、上記を行った後に、それぞれの体験したこと(感じたこと、考えたこと)を、みんなで話し合って終了となります。マインドフルネスの練習は、どれもびっくりするほど単純なものばかりです。それをコツコツと実践していかなければ、わからないとも言えます。自分の中でおこっている現象に対して、「気づけること(awareness)」を育んでいきます

この練習を通して思い知らされることは、いかに私たちが、意識を集中することなく、食事をしているか、ということです。テレビをみながら、話をしながら、考え事にふけりながら食べるとき、それらは、たとえどんなごちそうであったとしても、十分に気づかれずに、ただ口の中へと流れ込んでいきます。ゆっくりと五感をつかって、十分に味わって食べたときに、こんなにも豊かなものがそこにあったのかと感動できる瞬間になるかもしれません。しかし、このようなことを長々と書いてくると、なにやらお説教をしているかのようにも思えてきまして、分相応でなく気恥ずかしい思いですので、この辺でやめときます。

次回は、基本的な練習である、ボディースキャンについて紹介いたします。では!

平成23年1月16日(月)より、3クール目のマインドフルネス認知療法第1回目を行います。
posted by かなめクリニック at 13:17| 精神科・心療内科