2011年10月31日

マインドフルネス@ (自動操縦状態について)

皆様、こんにちは。要です。日の暮れるのが早くなったと感じる季節ですが、いかがお過ごしでしょうか。

さて、これからマインドフルネス認知療法に関して、計8回を予定して記載していきたいと思います。前回、触れましたように、マインドフルネスとは坐禅瞑想をもとにしたセルフヘルプの技法で、取り組んでいるその人のストレス対処能力を改善させることや、うつ病の、再発予防に効果、があることなどが科学的にも証明されています。認知行動療法と組み合わせて取り入れられていますが、森田療法とはかなり共通してもいます。
参考図書として、J.カバットジン著 春木豊 訳 マインドフルネスストレス低減法 北大路書房 2200円をおすすめします。宗教的要素を取り除き、誰にでも受け入れられる形になっていますが、精神性(Spiritual)な部分が中心にあります。WHO(世界保健機構)にても、新しい健康の定義として、これまでのBio-Psycho-Social Health(身体、精神、社会的な健康)のほかにSpiritual Healthを加えることを検討していると伝えられ、現代人が置き忘れている大切な要素かもしれません。ネットでマインドフルネスと調べますと、あやしいページもいくつか散見されますので、間違われないようにとも願います。

自動操縦状態について:
 皆様は、何か気がかりなことがあって、そのことを考え続けながら、食事をとり、味がわからないままに何となく食べていたことはありませんでしょうか。あるいはまた、帰り道や電車の中で、考え事をしながら過ごし、よく覚えないままに家にたどりついていたことなどの経験はありませんでしょうか。私にはよくあります(^^;)。そのときに考えていたことは、仕事の心配だったり、人間関係での悩みだったり、好きな人のことだったりします。それらの考えは、最初は、たまたまみかけたもの(上司に似た人、「失敗」という言葉、音楽)などから連鎖するように思い出されたりします。混沌とした思いの中で次第に形作られ、自分というしっかりとした意識のコントロールをはずれて勝手にすすみ、はじめには思いもよらない結論に進んでいったりします。それは同時に、気分もすっかり変わってしまい、不安や怒り、葛藤などで重たい気持ちになっていたりもします。このような状態のことを、自動操縦状態、と呼びます。この状態に気づけないままで、ただぼんやりとして過ごすといったこともよくあります。何か考えていたようだが、思い出せない。もしくは、自動操縦状態のままでいるときに、実際にやっていたこと(食事、帰り道)をよく思い出せないなどとなったりします。
 これはもちろん病気の状態ではなく、普段、普通に我々に起こっている体験です。そして、この中には、自動思考といったものが多く含まれます。ここでは、詳しい解説を省きますが、「認知の歪み」と言われる、かたよった考え方により、うつや不安の気分がもたらされ、それに伴う行動とあわせて、悪循環が形成され、うつ病がおこることがしられています。
うつ病から回復した人では、「自動思考に含まれる認知の歪み」も、一緒に回復していることが多いのですが、ストレスが加わった状況下や気分が落ち込んだときには、一度は気づき乗り越えたはずの、そのような認知の歪みパターンに、再度戻ってしまいやすいことがしられています。そのため、一度でもうつ病を経験すると、それまでとは違い、ストレス時に再発の悪いパターンにはまりやすくなり、繰り返してしまいやすくなります。この特徴としては、1.気分の低下に伴い、ネガティブな材料(思考、記憶、態度)へ目をむけやすくなっていることと、2.そのネガティブな材料のことをいつまでも繰り返し考えこむことの2点が言われています。
このような観点より、自動操縦状態に気づき、そこからはなれるといった練習(=マインドフルネス瞑想)は、うつ病の再発予防に直結すると紹介されています。(ZVシーガル著 マインドフルネス認知療法 北大路書房) 〜つづく〜

当院でのマインドフルネス認知療法は、月曜日12時半〜15時半 デイケアにて行っています。お問い合わせは、i@kanameclinic.com まで。
posted by かなめクリニック at 16:28| 精神科・心療内科