2011年09月24日

リワークプログラムについてのご紹介

気持ちのよい青空が広がる季節になりました。ちょっとそこまで出かけたくなる気分です。いかがお過ごしでしょうか。


  現在、当院で行っているリワークプログラムの内容について、これから少しずつ紹介をしていきたいと思います。

 中心にしている治療技法としては、1.社会リズム療法、2.(集団)認知行動療法、3.マインドフルネス、を行っています。社会リズム療法に関しては、水島広子先生が「対人関係療法でなおす 双極性障害」の本にて詳しく紹介しています。認知療法に関しては、大野裕先生や野村総一郎先生ほかにより、今では広く知られてきています。マインドフルネスも、同じく認知療法の流れにそったものとして紹介されています。

 うつ病で休職している方が、ある程度おちついた段階(不安感やイライラ感がやわらいでいる、破壊衝動が消失している、睡眠時間が<昼夜逆転をしていたとしても>確保できているなどを目安に)から、病気が治った後の、復職準備トレーニングとして利用してもらっています。

まず、現状の評価として、いくつかの評価テストを行い、どのプログラム、どの程度の参加を目指すかなどの今後のプラン、スケジュールを専門スタッフと話し合い決定していきます。実際に、活動に参加し、疲れ具合、改善具合をおよそ一月ごとに評価し、次の目標を話し合っていきます。その中で、社会リズム(睡眠、食事、活動、社交などのリズムです)を保つことの意義を理解し、それを記録し、薬物療法と平行しながら整えていきます。また、認知行動療法を、6人1チームとして週1回にて行っていきます。認知のゆがみをはじめ、自分の病気を理解し、自身が自分の治療者の1人になれることを目標にしています(基本編10回、応用編10回の計20回を行っています。定員制のため、すぐに参加できないこともございます)。また、従来から当院で行ってきた、SADグループへ参加することで、スピーチと多岐にわたるプログラム(SST,ロールプレイなどを含みます)、茶話会を経験し、「はじをかきすてて、社交にとびこむ」勇気と体験をはぐくみます。はじをかきすてることができる勇気は、その後の生活をずいぶんと積極的にかえ、視野や世界をひろげることにつながっていくように思います。

  うつ病は、朝の病気、と呼ばれるように、朝の調子が悪い場合が多く、なるべく午前中に運動プログラムを多くとりいれています。ランニングマシーン、エアロバイク、風船バレー、ミニサッカー、ストレッチ、卓球、などを行っています。案外、大人が集まって運動する機会は減ってきており(もちろん、ジム、ゴルフや運動クラブに属し、運動を楽しめている人も多いと思いますが、うつを契機にはなれてしまったりで・・・)、改めて運動することの楽しさや、アナログなゲームのおもしろさを思い出せます。細かなことを考えずに、参加し、同じ病気をかかえ、つらい経験をした人が集まって活動したり、話し合ったりするだけで、孤独感から解放され、何となく勇気や元気がわいてくるという感じを経験します。まだ不調(おっくうさ、たのしめない、リズムの崩れ)を残しての参加の場合には、とりあえず運動プログラムやSADグループのみに参加することもよいと思います。

 「マインドフルネス」という治療法は、認知療法として紹介されたり、瞑想法として紹介されたりしています。坐禅をもとにした瞑想法が、アメリカに渡り、末期ガン患者の痛みの軽減などに有効であることがたしかめられ、さらにはうつ病の再発を防ぐ手だてとして、非常に効果があると報告され注目を集めている技法です。第3世代の認知療法として紹介されてもいます。J.カバットジン氏の本や、Z.V. シーガル、J.D. ティーズデール氏らの本により紹介され、リワークプログラムの柱として、いくつかのデイケアにてすでに取り入れられています。より宗教的な要素を取り除き、瞑想を治療技法として確立したものがそれにあたりますが、「「自分」を浄化する坐禅入門」小池 龍之介著などにて、日本的な坐禅のわかりやすい解説があります。当院にては認知療法とあわせて行うこの方法をとりいれています。次回より、マインドフルネス認知療法に関して紹介をしていきます。つづく。


当院での、デイケア、リワークに関するお問い合わせは、i@kanameclinic.com まで。
posted by かなめクリニック at 16:43| 精神科・心療内科