2007年01月29日

不安の正体(SAD2)

おはようございます。みぞれまじりの雨に、寒くて動けず、冬眠でもしたい気持ちですが、これでようやくスキーができると思えば、ほんわり嬉しくもなります。

第二回 不安の性質と「慣れ」について
今回は不安の性質、特徴について書きます。
「幽霊が怖い」と言いますが、実際に幽霊をみた人はほとんどいません。幽霊という言葉をならいたての子どもは、実物を知らないままに怖い物として教え込まれ、怖がるものとして覚え込みます。そして、怖いから逃げようとする子どもは、幽霊がどんどん怖くなり、幽霊は一体どんなものだろうと興味をもった子どもは、その正体が布きれだったり、破れた傘だったりして、「な〜んだ」と平気になっていきます。
ジェットコースターを好きな人は、乗りながらこのように言います。「キャー、こわいー」。そして何回か乗ると、「もうあんまり怖くなくなったので、もっとすごいやつに乗りたい」と。嫌いな人はこう言います。「何で、わざわざ、お金を払って危険な目にあわなければならないのか!馬鹿らしい」。危険!に敏感になった人は、やがて飛行機も、落ちることを真剣に考え、せまいエレベーターも地震にあい動かなくなることを想像し、ますます怖がるようになるかもしれません(オーバーですが)。
蜘蛛の苦手な人は、どんどん蜘蛛から逃げるようになります。そしてそのうち、ケースの中に入った蜘蛛や、蜘蛛の写真にも近づけなくなります。そして、蜘蛛のおもちゃを投げられただけでパニックに陥ります。もし、この人に蜘蛛のおもちゃをしっかり握らせる罰ゲームをさせたらどうなるでしょうか。「きゃーーーーー」と、言葉にならないほどの叫びが続くことと思いますが、3時間も4時間も叫び続けることはありません。さすがに、ばててきて、どうでもよくなり、怖がることに疲れてきます。そして、「なーんだ、ただのゴムのおもちゃじゃん、よくみると結構かわいいかも」とまではいかないまでも、平気になっていきます。実際、ノルウェー人の先生は、この方法で蜘蛛恐怖を簡単に治すと話してくれました。蜘蛛恐怖の人に、笑顔で近づき、小さな蜘蛛をさっと触れさせ、笑顔で「ほら大丈夫」と言うと、あまりにとっさな事で、本人もただ笑顔で「あははは」となるそうです。しかし、アジア圏などでは、この方法は難しいとも話していました。ノルウェーの蜘蛛は小さく毒のないものがほとんどであるのに対し、アジア圏などでは、いかにも毒々しい大きなやつが多く、人々は生き残るため遺伝子レベルで蜘蛛に対する恐怖を獲得しており、不安の潜在レベルが高いからと話してくれました。それでも、治していく方向は同じになります。つまり、不安は、においや味と同じで、時間とともに慣れていくものということです。つづく〜
posted by かなめクリニック at 13:10| 精神科・心療内科